以前、高原が在籍していたブンデスリーガのクラブ「ハンブルガーSV」。
この後ろのアルファベット2文字「SV」とは、「Sport-Verein」(シュポルト・フェライン)の略だ。
Sport-Vereinを英訳するとSport-clubとなり、
平たく言えば地域密着型のスポーツクラブを指す。
欧州を中心に発展しているこの手の組織には、
様々なスポーツと様々なカテゴリーが集約されている。
極端な言い方をすれば、トップレベルのアスリートとスポーツアマチュアの市民が、
同じ敷地内でスポーツに触れている場所と言える。
海外には、学校での部活動や企業スポーツと言う概念は存在せず、
その代わりのファンダメンタルな存在として、地域に大小のシュポルト・フェラインが存在する。
とりわけ欧州ではフットボールを筆頭に、バスケットボール・ハンドボール・バスケットボール等が中心。
ここには老若男女問わず、自分のしたいスポーツをする為に、
授業や仕事を終えた市民が集まってくる。
ただ誤解して欲しくないのは、日本で言う所の「(会員制)スポーツクラブ」とは趣が異なる点。
シュポルト・フェラインは、ハード面(ハコモノ)は自治体から借り受け、
運営(人的面)はNPO的な側面が強く、故に施設利用料が安く敷居が低い。
日本で言う所の「市民スポーツセンター」だと、役所の人間が施設の管理だけをして、
その施設を市民に貸し出しているだけの形が大半だが、
シュポルト・フェラインにはボランティアの指導者までも常駐している。
ところで、どうしてこんな話をしたかと言えば、元々はバルサスクールコーチ村松氏のブログからだ。
>日本フッボール界が今抱えている根本的な問題は、フッボールが上手くないと、
>フッボールを満喫出来ないと言う不平等な構造なのではないでしょうか。
>高校サッカー選手権大会も、プリンスリーグも、高円宮杯も、総体も、全日本少年サッカー大会も、
>全てフッボールの上手い選手たちのモノです。
>これらの大会に人々やマスコミの注目が集まりますが、これらの華やかな大会の裏で、
>どれだけ多くの少年や青年が、不幸なフッボール生活を送っているかは、誰も気にしていません。
>日本代表を本当に強くしたければ、プリンスリーグよりも、トレセン制度よりも、
>上手い下手に関係なく、年齢に関係なく、フッボールプレーヤー全員が、
>フッボールを満喫できる環境を整える事が先決なのではないでしょうか。
Jの掲げる「百年構想」とは、恐らく「シュポルト・フェライン」の様な広がりを目指しているのだろう。
現在「神戸アスリートクラブ」はNPO法人が運営し、またアルビレックスやベルマーレの様な、
スポーツの垣根を越えた「総合スポーツクラブ」を作ろうとしている動きも見られる。
しかし、前エントリーで紹介した企業や学校の部活の存在が、
この手の存在と対峙している事実がある。
またプロ野球(NPB)とも対峙するのは、J創成期におけるヴェルディの件での話と同じだ。
この様にJの「百年構想」の理念と理想は、
日本のスポーツの「捻れ」の中で独自の道を歩もうとしている。